根尾谷の淡墨桜


我が名古屋地方は、火曜11日の雨
で、
遅れを取り戻すように速足で満開になった桜
も、あっけなく散り始め、
今は、遅咲きの桜(八重の枝垂れ桜など)が、なんとか満開保ってるかな。


その雨降りの前日の月曜10日、雨がパラつきそうな雲行き
の中、
ようやく満開近くになったという「根尾谷の淡墨桜」を見に、車を走らせた。







蕾の時は薄ピンク、満開は白、それが散り際には薄墨のような色に。
そこから、淡墨桜(うすずみさくら)と呼ばれてる江戸彼岸桜。


岐阜県本巣市(旧根尾村)にある根尾谷(ねおだに)の淡墨桜は、
福島三春の「滝桜」と山梨の「山高神代桜」と並んで、
日本三大桜(三大巨桜)
の1つに数えられてるわ。

樹齢は1500年余、大正11年(1922)に国の天然記念物に指定


詳しくは、この淡墨桜がある淡墨公園に建ってた石碑
を読んでね





最初の写真からは、一見、満開を誇る立派な巨大桜に見えるけど、
これを横や裏側から見ると、実はスカスカ







さすが樹齢1500年
 幹の太さは凄いのだけど、
中はかなり空洞化が進んでるみたいで、傷みが激しくてね。


大正2年の大雪
で幹の一部に亀裂が走り、樹勢が衰え始め、
大正9年の暴風雨
で大枝が折れ、さらに深刻化。

昭和23年の文部省の調査で、3年以内に枯れ死と診断され、
石碑にもあるように、昭和24年、岐阜市の医師・前田利行によって、
山桜の根を接ぎ木して再生。

その後、昭和34年の伊勢湾台風
の被害などを受け、
昭和42年にここを訪れた宇野千代が惨状を憂い、保護再生の運動へ。


余談になるけど、
宇野千代ブランドの桜柄
の着物や風呂敷・食器・お香はよく出回ってるけど、
この淡墨桜の運動がきっかけかもね。


話戻して、
その後いろいろ施されたようで、近年ではこちら
(現地の立て看板撮影)



(右下クリックしていただくと、多少大きな画像で見れるわ)




では、最初の写真の淡墨桜が、なぜ立派に見えるのかというと、
実は、この左手後の少し小高いところに、
この淡墨桜の二世が植えられてるからなの。










離れて写すと、今は二世の方が樹高高いくらいね。


25年ほど前に初めてここを訪れた時は、
この整備された淡墨公園は既にあったけど、
この二世桜はまだ目立たない若木だったのよ。


でも、若木と言っても、それは1500年に比べたらの話で、
この二世、その後ろに建つお堂の完成記念に植えられたもので、
大正12年の植樹とあったから、もう樹齢100年、納得の大きさかな。


ちなみに、二世桜は、岐阜や愛知、その他あちこちにお嫁に行ってるそう。


そのお堂がこちら
 淡墨観音堂(臨済宗) 

大正9年に折れた大枝から彫って作られた観音様が祀られてるそうよ。

この観音堂の左手には、少し離れて淡墨大師堂もあったわ。







この老桜の淡墨桜は、根の保護のために立ち入らないよう大きく囲いがされ、
残念ながら、花
を間近で見ることが出来ないの。


で、コンデジ
の望遠150倍ぐらいにして撮ったのがこちら

手ぶれ抑えるのに必死だったわ~








一眼レフの望遠なんて持ってないから、鮮明度は落ちるけど、
アップにしてみると、
「満開近し」とは言っても、何か蕾に近い開き掛けの花ばかりでびっくり


彼岸桜って、ソメイヨシノほど全開はしなくても、もう少し開くよね



でも、雨雪風に耐えて、今年も無事よく咲いたもんだぁ。

1500年もの長い年月、この山里で、お前は何を見てきたんだろうね
な~んて、考えてしまったわ。




ちなみに、ここは夜間のライトアップ
もされてて、
(4月30日まで、午後6時40分~9時)
画像が小さいけど、本巣市HPの淡墨桜ライブ映像(こちら
で、
生のその様子も見ることが出来るわ。


毎日の写真付き開花状況はこちら
満開になって4日目の今日も、まだ見頃だそうよ。



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Comments 14

日向人

No title

大樹の桜に思わずおおーっと目を見張り横からはあらら~と思ったけど
何てったって気も遠くなるような1500年もの間
咲き続けてきたのですからそれだけでも素晴らしいですね。
それにしても三脚無しの150倍でしょ!よくこれだけ撮れたものね。
立派よ!ナイス☆

*けい*

No title

桜に歴史ありですね~その年数たるや凄いですね!
昨今は桜にカミキリムシが幼虫を産み付け食い荒らす、桜の被害が多いとか
150倍の望遠、よく撮れてますよ~^^
淡墨桜という名前も素敵

*crea*

No title

淡墨桜名前も素敵🌸
1500年前からさいてるなんて奇跡
京都の桜守りの藤二郎さんが冬が短くなり葉を落としてから休眠が短くなったから木が弱るって言ってたわ。

植木屋ばる

No title

1500年か~。神聖なものを感じるよね。
昔、地質調査で近くで仕事したことがあったの。花のシーズンじゃなかったのが残念だったけど、二世も一緒に植えられているなんて気がつかなかったわ~。
宇野千代さんのお線香を木箱でいただいて今も大事に使ってるんだけど、中の紙箱のデザインがスゴく綺麗なの。もちろん中身も 漆黒で高級な感じがして好きなんだけどね(^^)

ちなみに学校には 三春の滝桜の二世がいるの。
亡くなった登山家の田部井淳子さんが寄贈されたものなのよ(田部井さんは三春出身なのよね)
もっと大事にすべきものだと思うのに、下手な移植を重ねられ、どんどんしょぼくなってる。今年も日陰で ひっそり咲いてるわ(泣)

青々

No title

> 日向人さま
つい巨木桜っていうと、満開に咲き誇る圧倒的な桜の木を期待しちゃうけど、
考えてみたら、1500年も生き続けてるのだから、弱ってて当然よね。
私たちが育ててる花なんて、液肥や植え替え頻繁にしても数年の命だものねぇ
150倍の望遠は、手で持ってはとても手ぶれを抑えれなかったので、
この木の周りの柵の上に乗せて写したの~♪
でも、中腰で画面見るのはキツかったわ(笑) ナイス!ありがとう

青々

No title

> *けい*さま
普段というか一般的に見てる桜なんて、今年は遅いとかよく咲いたとか
その場の綺麗さしか見てないけど、1500年にもなると、ほんと歴史ありよね
桜にカミキリムシ!? そんな被害も出てるんだ。
淡墨桜、薄墨桜でないところがいいわよね。 ナイス!ありがとう

青々

No title

> *crea*さま
淡墨桜、こちらじゃ昔からよく耳にする名だから気に留めてなかったけど、
改めて考えてみると、確かにいい名前ね。
薄墨でなくて淡墨なところがいいかな。
休眠期間、なるほど~ 温暖化の影響、そんなところにも出る訳ね。
ナイス!ありがとう

青々

No title

> 植木屋ばるさま
この写真の二世以外にも、記念樹として他に3本植えられてたかな。
それら、25年前に行ったときはそれなりに咲いてたけど、
今回はどれも枝がかなり切り落とされてて、何か痛々しかった。
千代さんのお香っていうと、たぶん「淡墨の桜」じゃないかな。
紙箱が黒地と金の地のとグレーに白花のバージョンがあるみたいね。
どんな香りがするのか嗅いでみたい!
滝桜の二世があるなんて素敵~
でも、興味のない人にとっては、どんな桜だろうと関係ないのかな。
ところで、私その本家の滝桜を一度見てみたいのだけど、福島は遠いわ。

Garden

No title

今年の桜は ちょうど花見のタイミングで
雨続きの天気で 青空と満開の写真が撮れず残苑。。。
それでも いつもながらの完璧な説明で
樹齢100年の桜の有難さが良く分かりました。
銘木の一本桜を前にすると やっぱり感動します。

青々

No title

> Gardenさま
今年はほんとお天気とのタイミング悪くて。
さらに、自分の空いてる日を合わせるとなると四苦八苦(笑)
Gardenさんの一本桜の写真、ステキでしたもんねぇ。
もしGardenさんならこの淡墨桜をどう撮られるかな?って考えちゃうわ。
私は説明は書けても、在り来たりな写真ばかりで、お洒落な写真が撮れない~

kuma

No title

私も一度見に行ったことがあります!
1500年ってほんとすごいですよね。
ただ私が行った時よりさらに痛々しい感じが・・・
我が家の近くに子孫が植えられていますよ。
まだまだ小さいですが毎年シーズン先駆けなので見るのが楽しみなんです。

青々

No title

> kumaさま
淡墨桜の写真というと、
大抵1枚目のような正面からの立派な姿の写真しか載らないから、
以前行った時は、たまたまその年の花付きが悪かったのだと思ってた。
平成になってからのいろいろな処置を読んでみると、
年々衰えていくのを必死に留めてる感じで、ほんと痛々しく思えたわ。
1500年生きるって、こういうことかぁって改めて思った。
あら~ 市内のそんなところにも子孫がいるんだぁ。
現地で淡墨桜の苗が売られてて、我が家が戸建てだったら…って思ったわ

mokkoubara

No title

正面から見ただけではわからないものですね。
でも、バックで2世がちゃんとフォローしている感じ?
1500年、何を見てきたのかなって思う気持ち同感です~。
樹齢の長い木は、いろいろあるようですが歴史を見ていて
今をどう思うんでしょうね。
薄墨桜、名前も趣があっていいですよね。
今回も、勉強になりましたよ♪

青々

No title

> mokkoubaraさま
2世、そうそうフォローしている感じよね。
実際のところは、ただの記念樹として植えられ、
100年のちの効果まで考えてこの場所を選んだのかは定かではないけど。
幼少期は親に守られてて、大きく育った今は親を陰で支えてるって感じで
人間の親子を何か想像しちゃったわ。
淡墨桜の名、昔から東海地方では当たり前のように聞いてるから、
皆さんのコメントいただくまで、この名の趣き考えてなくて、
今回改めて、確かに!って気付かされたわ(笑)