10円硬貨の裏側でお馴染みの「宇治平等院鳳凰堂」
平成24年~26年の大修理で、平安創建時の姿によみがえったのを一目見に、
宇治平等院は、今や
世界遺産
9世紀末に源融の宇治の別荘だったのが、後々に藤原道長の手に渡り、
道長没後、その子である藤原頼通が寺院に改めたのが、平等院の始まりで、
翌年の1053年に、この阿弥陀堂(現・鳳凰堂)が建立されたとか。
中央のお堂を中堂、左右に翼を広げたように伸びるのが翼廊
この後ろ側に連なるのが尾廊で、
翼廊はただの飾りで、渡ることも登ることも出来ないの。

極楽浄土を現世に描いた寺院だそう。
また、普通の寺社が南向きに建てられるのに対して、
このお堂は東向きに建ってるわ。
パノラマ撮影で

画像の右下クリックして、大画像で味わってみて

パッと見、お堂の前に池が広がってるように見えるけど、
実は、池の中島にこのお堂が建ってる。
右端に写ってるのが、州浜と中島を結ぶ反橋と平橋
このお堂の裏側から見たのがこちら

手前の建物が尾廊
私が以前平等院を見に行ったのは、もうかれこれ30年前で、
明治や昭和にも大修理はされてたけど、
約930年の年月に色褪せ、古びたこげ茶の木造建築だったのよね。
参考までに、こちら
が平成の修復工事前の様子(Wikipediaから写真お借りしました)
この度の修復で、柱や扉は創建時の赤褐色の顔料「丹土」で塗られ、
瓦は光沢の少ないものに、屋根の
鳳凰や
宝珠は金色
に復元されたそう。
ここで余談だけど、
「鳳凰」って「鳳」が♂で「凰」が♀を指すんですってね
この屋根の鳳凰も対になってて、大きさが違うみたいだけど、
形自体は雄雌の区別つけてないそうよ。
(お城の天守閣の鯱は、雄雌形違うのにねぇ)
新壱万円札の裏側には、この鳳凰の絵が載ってるわね。

話戻して、
この赤色は、春日大社や平安神宮の朱塗りとは一味違って、落ち着きある赤かな。
でも、修復前よりは比べ物にならないぐらい華やかで、
修理というよりは、創建時の建物を復元して改めて建てた、って感じかしら。
千年の重みがなくなったように思えちゃった。

姫路城といいこの鳳凰堂といい、
最近の修理って「創建時の復元」にこだわるのが流行り

「貴重な遺産を残す」のって、
「保存・維持」であって
「復元」とは違うと思うけどなぁ。
最近話題で非難を浴びてる、
中国の万里の長城のあの悲惨な塗り固めの修復とは、
訳が違うけどねぇ
外観は千年前に復元だけど、中堂内部は修復前のまま
(現在、現状維持修理として、彩色・漆塗膜等の剥落止め工事進行中)
中央の扉の内側や御格子が古いままなのが分かるかしら

(極彩色の絵が剥げ落ちて白くなってるの)
お堂の中には、木造の阿弥陀如来坐像が鎮座し、
壁面には、52体の雲中供養菩薩像が付けられてる(どちらも国宝)
この内部観覧は、20分毎に50人ずつの入れ替え制で、(拝観料とは別途300円)
この時、私は次々回の30分待ちだったけど、
酷いときは1時間とか2時間待ちになるらしいわ。

内部は撮影禁止
だったので、その様子をパンフレットから転写
この雲中供養菩薩像、実はお堂の中の52体のうち半分26体が複製で、
その本物26体は、敷地内のミュージアム鳳翔館に展示されてる。
鳳翔館は、以前の宝物館を2001年に現代的はミュージアムに建て替えたもので、
このお堂内部の極彩色に再現された実物大の部屋などもあるわよ。
先程載せた金色に輝く
鳳凰
の本物もここに展示金銅製のため緑青色してるわ。
もう1つ、国宝に指定されてる梵鐘もここに展示されてて、
現在使われてる戸外の梵鐘は複製だそう。
鳳翔館内も撮影禁止なので、そちらをパチリと

天人や獅子・唐草文様が浮き彫りにされた珍しい梵鐘よ。
最後におまけ
駐車場
の都合で表門からは入らなかったので、その代りの南門
そこからは、ほんの一部だけど色が変わり始めてたモミジ
が。ここが全部紅葉したら、綺麗だろうなぁ。
今回のドライブ
、行きは、名二環ー東名阪道―新名神―名神ー京滋バイパスと高速乗り継いで、
8時出発、途中トイレ休憩入れて、10時15分頃に平等院到着

この平等院すぐ傍のお店に、昼食
を11時半に予約を入れておいたものだから、ミュージアムをゆっくり見る時間が無くなってしまって、
まさに駆け足・素通り状態

残念なことしたわ

日帰り京都ドライブのお話、もう少しお付き合いくださいませ。
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